シーズン3、第1話「マイケルがやって来た!:Stark Raving Dad」September 19, 1991
(日本初放送:1993年2月28日、録音日:1993年2月4日)
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WOWOW放送当時から局側も宣伝に使用していた待望のマイケル・ジャクソンゲスト出演エピソード!
日本語吹き替えを務めるのは以前からマイケルのものまねを得意とされており、同業者の間でも「マイケル役をやるなら山ちゃんだよね!」と言われていた山寺宏一さん。
なお、本エピソードはアメリカで2019年に欠番にされており、残念ながら日本でも今後配信で観られることはなさそうなので、どうしても観たい方はまだぎりぎり出回っているシーズン3DVDコレクターズBOX(廃盤)でご覧ください。
※今回からシーズン3に突入!WOWOW放送時にシーズン1,2は一挙に放送され、シーズン3である本エピソードと「ホーマーの願い事」の2話も一緒に放送されました。<以下、ネタバレになります>
【画面】(台本上の通信欄)
・06:29 字幕「心の病院」
・11:22、20:01 字幕別紙
マイケルがホーマーを慰める歌を歌うシーン、そしてリサのバースデイソングを歌うシーンは、それぞれ画面に表示する字幕が台本の最初に書かれています。
『もう探す必要はない 探していたものを手に入れた 友達と呼べる人がいるもう一人じゃない 君も寂しくないよ僕という友がいるから』
『リサ今日は君の誕生日神の祝福あれ 僕のかわいい妹自慢の妹 今日は君の誕生日心からおめでとう 愛と善意と喜びに恵まれるように 望みがかなうように ステキなキスも 今日は君の誕生日心からおめでとう』
・15:23 字幕「閉店なし」「初めて閉店します」
【音声】
・01:47 クラスティホットラインに電話するバート
原語版では無音の部分に、吹き替え版では「クラスティホットライン」と堀さんバートの声で吹き込まれています。
他の子供向けアニメの吹き替え等では画面の文字情報が読み上げることもしばしばあった一方、シンプソンズの場合は字幕対応とされることが多かったのですが、本シーンでは珍しい文字情報読み上げになっています。
・01:57 クラスティの饒舌トーク
原語版では“If you haven't asked your parents' permission, naughty naughty.(直訳:両親の許しがないとやんちゃやんちゃ)”であり、スラングの“naughty(やんちゃ、いたずら)”の部分をどう訳すのかという問題になると思うのですが、このスラングにはちょっとエッチな意味もありまして、そこを踏まえた上で翻訳家の徐さんは「お父さんお母さんに黙って電話した人 チョメ…チョメ…」とセリフを作られており、改めてそのセンスに脱帽です!
・02:51 ピンクに染まった白シャツを前にしたホーマー
泣き崩れるシーン、台本上は《 》のみで大平さんに委ねられているわけですが、大平さんはそこにお馴染みの「トホ…」を当てはめられ、情けないホーマーを演出されています。
・04:16 バーンズに疑われたスミサーズ
台本上は「あれは社で英国軍艦の芝居をした時の衣装です」とある部分が、最終的な音声では「あれはわが社でイギリス艦隊の芝居をした時の衣装ですよ」になっています。
例によって細部までこだわりが行き届いています。
・04:54 精神分析テストをマージにやらせようとするホーマー
台本上は「マージ…ちょっとこれ記入してくれる?」とある部分が、最終的な音声では「マージ…ちょっとこれ記入して_」になっています。
ホーマーの口パクに合わせるために一部セリフが削られたものと思われますが、同時にホーマーのちゃっかりした感じが大平さんのお芝居によって見事に表現されていると思います。
・05:31 暗すぎるリサの詩を止めるホーマー
台本上は「もういい」なのですが、最終的な音声では「もういいよ!」になっています。
漫才の締めのようになり、ツッコミとしてのキレも抜群に。
・05:33 バートに外部委託しがちなホーマー
台本上は「選挙の時は不在投票に行ってくれたろ」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「選挙の時は不在投票に行ってくれたじゃないか」になっています。
口パクもぴったりはまっています。
・06:04 知らないうちにテストに答えちゃっているホーマー
台本上は「ああうるさい声が聞こえてるよテレビを見ているのに!」とあるところ、最終的な音声では「ああうるさい声が聞こえてるよテレビを見ているのにさ!」に。
さらに、その後の「うるさいって言ってるのが分からないのか!」は、大平さんによって手が加えられ「うるさいって言ってるのが分からないのかよ!」になっています。
語尾の調整で口パクに合わせつつ、ホーマーらしさも全開に仕上げられています。
・07:05 ホーマー、マイケルとご対面!
山寺さんはリメイク版のハクション大魔王だったりもします。(もちろん大平さんはオリジナル版魔王)
・07:17 マイケルにお馴染みのボケで返すホーマー
台本上は「勿論知ってるよ 知らないわけがないだろ超有名なのに で、何て言ったっけ?」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「勿論知ってるよ 知らないわけがないだろ超有名なスターだもん _何て名前だい?」になっています。
大平さんが日本版ホーマー・シンプソンとしてその時々で常にベストを尽くされて演じられていたことが、このような台本の書き込みを見てもよく分かるかと思います。
・08:39 リサから暗にプレゼントをおねだりされるバート
台本上は「任せとき」とあるところ、最終的な音声では「任せときなって」になっています。
こちらも口パクにあわせつつ、堀さんバートのやんちゃ感あふれるセリフ回しでしびれます!
・09:17 病院から家に電話しようとするホーマー
台本上は「こんなとこから電話するなんて情けないよ 俺を崇拝してるのに」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「こんなとこから電話するなんて情けないよ 俺を尊敬してるのに」になっています。
ホーマーのおとぼけなセリフ、こちらでも大平さんのこだわりが光ります。
・09:24 代わりにマイケルが電話してくれると聞いたホーマー
台本上は「本当の事は言わないで、有閑マダムがダイエットする施設とか何とか言ってくれ」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「本当の事は言わないで、そのォ有閑マダムがダイエットする施設とか何とか言ってくれ」になっています。
たじろいでいるホーマーがちょっとの追加で存分に表現されています。
また、“rich women”を「有閑マダム」と訳す徐さんのセンスも相変わらず最高です!
・10:09 ホーマーがロボトミー手術をされた世界
台本上は「いいよ 大丈夫だよ」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「いいよ スタンドなんか…」になっています。セリフの上には「優しく」とのメモも。
こちらもお見事です!
・11:05 また泣いているホーマー
こちらも大平さんによって泣き声に「トホ…」が当てはめられています。
・11:57 マイケルの歌を聞いた後に熟睡するホーマーの寝言
マイケルの「バブルス 長い夜になるね」の後、原語版でもホーマーの寝ぼけた声が入っていますが、吹き替え版では大平さんの台本へのメモからも分かるように「ウマ…」と言っています。
前のセリフ「パンケーキ フットボール… おっぱい…」のパンケーキにかけているものと思われます。
・13:37 リサ、一人のバースデイ
神代さんが英語の歌詞をそのまま歌っているシーンなので吹き替えと原語版をぜひ切り替えて聴いてみてください。
これ、これ同一人物が歌っているのでは?というレベルのそっくりさ。
・14:15 家にマイケルを連れて帰るとバートに伝えるホーマー
台本上は「ごちそうするから肉をたっぷり用意してビールを冷やしとけ」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「ごちそうするから肉をたっぷり用意してビールを冷やしとけよ」になっています。
口パクぴったりで、口調もちょっとマイルドに。
・14:40 ホーマーからものすごく丁寧なフリを受けたバートは…
台本上は「《 》秘密にできる?」とあるところ、最終的な音声では「ミルハウス、秘密守れる?」になっています。
・15:01 ラジオ局にまで噂が届き…
台本上は「芸能部から臨時ニュースが入りました」とあるところ、最終的な音声では「お聴きの皆様 芸能部から臨時ニュースが入りました どうぞ」になっています。
尺の都合による追加と思われますが、速報感がよりよく出ますね。
・15:52 レコードを持つマイケルファンの女子の声は…
「あの車よ!来たわよ!」と静かに熱狂するファンの子の声を務めるのは、リサの神代さん!
・16:08 住民たちのマイケルコール
台本上は「マイケル」なのですが、原語版では“We want Michael!”とちょっと長いのでリズムを合わせるためか、最終的な音声では「マイケル・ジャクソン!」とのコールになっています。
・17:18 バートに向けた怒りの手紙を書くリサ
最終的な音声にこそ反映されていませんが、台本上「バートへ~今日限り名目だけの兄妹である事を通告します」とあるセリフに大平さんが書き込みをされ「バートへ~今日限り名目だけの兄妹である事をここに通告します」というセリフが出来上がっていました。
ご自分のセリフだけでなく、座長としてほかのキャラのセリフ回しにまでこだわられる細やかさ、さすがです!
なお、その後のリサのセリフ「でもそれはあくまであくまでお芝居です」は、台本上は「あくまで」は一回だけでした。
・18:28 バート作のリサのバースデイソング
堀さんバートのいたずらっぽい歌声がそれはもう最高です!
・20:01 マイケルとバート共作のリサのバースデイソング
・21:38 マイケル、地声で歌います
こちらでは原語版流用ではなく山寺さんの歌声。
・おまけ(今回のワンポイント)
The Simpsons 20 Years Mini Figure(Leon Kompowsky)
The Promotions Factory社製。20周年記念のミニフィギュアシリーズで、ツウなラインアップでちょっと話題になりました。
このキャラでは(今のところ)唯一のフィギュア。