シーズン32、第5話「ホーマーの7年目の浮気?"The 7 Beer Itch"」November 8, 2020
イギリスからやってきたリリーに魅了される、スプリングフィールドの住民たち。そんな中、ただ一人誘惑を拒絶し続けるホーマーだったが…
<以下、ネタバレになります>
・オリジナルサブタイトルは『七年目の浮気』の邦題で知られる、ブロードウェイの人気舞台を元とした、ビリー・ワイルダー監督作品"The Seven Year Itch"のパロディ。
地下鉄の通風孔からの風にのってマリリン・モンローのスカートがまくれ上がる名シーンは、本編を観てはいなくても何処かで目にされた向きは少なくないかと思います。
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この予告編の初っ端に登場していますね。
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こちらは、アナ・デ・アルマスがマリリン・モンローの謎深い半生を演じるNetflix作品『ブロンド』の予告編(2023年9月配信予定)。
・ただ微笑みかけるだけで老若男女を虜にする、聖女であると同時に悪女でもある存在、リリー。しかし、世間を混乱させる罪を問われ、彼女は野蛮な植民地と見なされているアメリカに流刑されてしまいます。
リリーを演じるのは、『女王陛下のお気に入り"The Favourite"』におけるアン王女役に高い評価を得て、またTVシリーズ『ザ・クラウン"The Crown"』ではエリザベス2世を演じている、名優オリビア・コールマン。
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なお声優としてのコールマンは、CGアニメ『ミッチェル家とマシンの反乱"The Mitchells vs. the Machines"』で世界征服を企む家庭用AIなどで知られます。
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・レオナルド・ディカプリオ宅を訪問するリリー。豪邸の門前で充電中なのは、テスラの電気自動車の様です。
環境問題に取り組むセレブのひとりである彼は、テスラだけではなくトヨタなどのハイブリッド車のオーナーとしても知られます。
・求婚されたリリーが口にするCGのクマとは、主演作『レヴェナント: 蘇えりし者"The Revenant"』の劇中でディカプリオが対決した相手を指したものを指します。
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・イギリスに居た頃とまるで変わらぬ環境に嫌気がさしたリリーは、地図に投げたダーツの矢が刺さった都市への再移住を目論む。その新天地とは…
・自ら車を飛ばし、目的地へと向かうリリー。ガス欠で止まったのは、偶然にもモーの店の前。第一町人発見!
・例によって、ビールをあおるのすら面倒そうな、やる気ゼロの常連たちがくだをまく店内。だが、リリーが一歩踏み込むないなや雰囲気は一変!
にもかかわらず、長期バカンスに出かけたマージや子供たちに取り残されたホーマーの気持ちは晴れない…
・一方、車で湖畔のバカンス地に向かうマージたちですが、出かける際にはいつものオレンジ色のワゴンだったのが、いつの間にかジープ・ラングラー風のSUVに乗り換えています。
・落ち込んでいるホーマーの様子を目にとめたリリーが、彼を慰めようと歌うのは、戦場の兵士の故郷に残してきた恋人への想いがこめられた名曲「リリー・マルレーン"Lili Marleen"」。元々は1930年代のドイツの流行歌ですが、ヨーロッパ戦線では敵味方を越えて愛聴されたと言われています。また、この曲を元とした映画も制作されました。
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そこまでしても、自分の殻を破ろうとしないホーマーにいらだち、何としても落としてみせる!と決意するリリーであった。
・さて、のんびりと休暇を過ごそうとしたマージたちだが、茂みでダニにかまれてライム病にかかったバートは、せっかくのバカンスを寐たまま過ごす羽目に。
ライム病とは、マダニが媒介するスピロヘータにより発症する感染症。シーズン2「リサのときめき"Lisa's Substitute"」にて、お話しのきっかけとなるリサの担任フーバー先生休職の理由も、この病気でした。
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・リリーが用意したランチを発電所の庭に広げ、共に優雅なランチを楽しむレニーとカール、そしてホーマー。
その様子を見かけて彼女に一目ぼれしたバーンスは、ホーマーを通じてディナーに誘う様に、スミサーズに命じる。
・スプリングフィールドのハーバーで待ち合わせする、ホーマーとリリー。とうとう私ものに!と舞い上がる彼女だったが、ホーマーにとっては社長の命令に従ったに過ぎなかった。
・自慢の巨大クルーザー船上で、ホーマーを交えて食事するバーンズとリリー。その場は見事に空回りして、盛り上がらない。
我慢の限界に達し、わざとドレスにワインをこぼすとホーマを伴い、いとまごいするリリー。
ここで彼女が汚れたドレスの上に羽織っているのは、三つ目魚ブリンキーのTシャツですね。
・とうとう結ばれる、ホーマーとリリー。
その頃、殺到した大量の観光客により荒らされたリゾートを後にして、スプリングフィールドへの帰還の途に就くマージたち。
・久々の再会に、抱きあい熱いキスを交わすホーマーとマージ。ここでホーマーが片足を上げるのが笑わせてくれますが、マージが警察官となるシーズン6『スプリングフィールド・コネクション"The Springfield Connection"』 にも、同じギャグがありました。
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・そこに、リリーからのお誘いの電話。頭ではわかっていても、ホーマーの身体は勝手に彼女の元へと向かってゆき…
鈴を転がすかの様なリリーの声と、マージのハスキーなダミ声とが同時に脳裏に浮かび。激しく葛藤するホーマー。
マージのオリジナルボイスを担当するジュリー・カブナーは、姉のセルマやパティも兼任するダミ声の持ち主。一方、S1~14及び劇場版で吹替えを担当される一城みゆ希さんは、可愛らしいマージと共にセルマも演じているのからわかる様に、幅広いバリエーションの音色の持ち主です。そんなことから、リリーもまた一城さんというキャスティングで、鑑賞したいものですね。
・さて、ホーマーとマージの関係は無事に修復されるのか?
そして、リリーの人生の行方は?
・なお、孤独を紛らわそうとホーマーがスマホで見る家族写真の中には、シリーズ開始前にトレーシー・ウルマンショーの1コーナーとして放映されていた当時の、シンプソン一家のキャラクターも含まれていました。