シーズン8、第14話「ホーマーの声優チャレンジ:The Itchy & Scratchy & Poochie Show」February 9, 1997
最近マンネリ気味の「イッチー&スクラッチー」。
どうにかして人気を取り戻したいクラスティの喝により、新キャラの加入を思いついた制作者はついでに声優オーディションを行うことに。
紆余曲折あり、ビーグル犬の新キャラ:プーチー役は我らがホーマーに決定したのだけれど…。
<以下、ネタバレになります>
・本エピソードは、シンプソンズの大先輩長寿アニメ「原始家族フリントストーン」の話数を超えた記念すべきエピソードとされています。
故に、長寿アニメの宿命みたいなテーマの今回のお話が生まれたものと思われます。
ちなみに、何度もエピガイで触れていますが、ホーマー役の大平さんは過去にフリントストーンの主人公フレッドを演じられたこともあります。(ちなみに、ディズニー作品のヤマネコキャラ:ピートの吹き替えを大平さんから引き継いで担当されている、シンプソンズでは"金持ちテキサス男"役の北川勝博さんも、近年フレッドを演じられています。)
原始家族フリントストーン アクリルキーホルダー オールスター WBHB791
- メディア: おもちゃ&ホビー
トミカ ディズニー ミッキーマウスとロードレーサーズ MRR-4 スーパー・クラッシャー ピート
- 発売日: 2018/06/30
- メディア: おもちゃ&ホビー
原語版で声を担当したのは、2015年に亡くなるまで数々の映画、ドラマ、そしてアニメ作品の声優として活躍した、俳優:アレックス・ロッコ(吹/辻親八さん)。
本エピソードが彼が演じたマイヤーズの最後の登場となりました。
ゴッドファーザー ベストバリューBlu-rayセット (期間限定スペシャルプライス)
- 発売日: 2016/09/28
- メディア: Blu-ray
・プーチー(とロイ)のファッションは、日本でもNHK教育テレビ(現:Eテレ)で放映された「愉快なシーバー家」で、ブレイク前のレオナルド・ディカプリオが演じたルーク・ブラウワーのそれのパロディ…のはず。
余談ですが、日本でのシーバー家の放映時には、既にディカプリオが人気になっていたので、今度の回からレオ様が出るよ~と、話題になったことが思い出されます。
グローイング・ペインズ 愉快なシーバー家 (ファースト・シーズン) コレクターズ・ボックス [DVD]
- 発売日: 2006/06/02
- メディア: DVD
・録音した自分の声の違和感すごいあるある。
このネタを声優界の大スター大平さんでやるの、贅沢すぎる!
- 作者:とり みき
- メディア: ムック
ホーマーの早口言葉は、隣の竹垣に~になり、女性声優:ジューンの初担当キャラはセミ(原音では鳴き声が似ている、ロードランナー)に。
セリフにも登場しますが、性別や動物の垣根を越えて表現する声のお仕事に対し、~だから~役はできないみたいな規制を求めるのは実にナンセンス!
・ホーマー「これ、生でオンエアされるの?」
彼らしいおバカ発言ですが、ホーマー役の大平さんはテレビ草創期にスーパーマンの生アテレコを実際にされていたので、いろんな意味で面白シーンに!
(ジューンが、生放送だとアニメーターの手首がおかしくなる~とツッコんでいるのは、アメリカのアニメは声を先に収録し、それに合わせて絵を仕上げる"プレスコ"方式が一般的であるため。)
「ザ・シンプソンズ」ホーマー役声優:大平透さんからのメッセージ(2012)
・オタクバスターホーマー(シーズン10「ボディガード・ウォーズ」参照)の攻撃炸裂!
・急に主役一家になじんでるロイ。
このシーン、原語版では彼がマージのことをミセスSって呼んでいるのですが、これはアメリカで11シーズン続いた国民的長寿シットコム「ハッピーデイズ」(シンプソンズでも度々ネタになっています)で1脇役から準主役まで上り詰めた人気キャラ:フォンジーが、主人公の母のことをミセスCと呼んでいたことへのオマージュ。
・「イッチー&スクラッチー&プーチー・ショー」第1話のタイトル「The Beagle Has Landed(ビーグル犬は舞いおりた)」は、小説を映画化した「鷲は舞いおりた」の原題「The Eagle Has Landed」をもじったもの。
- 発売日: 2019/09/04
- メディア: Blu-ray
ちなみに、この「キャプテン・プラネット」、映画「ホテル・ルワンダ」やマーベル・シネマティック・ユニバースのウォーマシン役(吹き替えは、スミサーズ役の目黒光祐さん!)でお馴染みの名優:ドン・チードル主演で、ネタキャラとしてどういうわけか奇跡(?)の実写化を果たしています。
Captain Planet with Don Cheadle
- メディア: Prime Video
・ネットにアニメの悪口を書き込んでるブックガイに対して、バートはクリエーターの代弁をして…「やりすぎだよ、そこまでやる権利あんの?何千時間もタダでマンガ見せてもらってケチつけるなんて、恩知らずだよ!勝手すぎるよ、それ!」
- 発売日: 2020/03/30
- メディア: Kindle版
放送局であるNBCの重役の会議を盗み聞きしていたことへのオマージュ。
・ナレ死ならぬ…なんだろう、テキトー死?!
・ロイの引っ越しの理由は、1人の男の子と2人の女の子が一緒に住むストーリーのシットコム「Three's Company」(日本未放送)のパロディ。
・リサ「これだけマンネリになっても打ち切らないなんて珍しいわよね。感謝しなきゃ」
実際、この後シンプソンズは、よっ!待ってました的なマンネリを超越した存在になります(?)・DVD隠しコマンド情報:本エピソードの選択画面内にある映写機のランプ部分をクリックすると、未公開シーンが観られますよ!・本編の話題から逸れますが、今の本国での状況を見て、カールだったらきっと「2度目の変声期かよ!なんかそっちの方が差別的じゃない?」とか言うはず。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab58feafd19e90d71f3e6ee9dc894bacb77ceb51news.yahoo.co.jp
シンプソンズだけじゃなく、米エンタメ業界がここ数年そっちこっちでやられてますが、いよいよこの番組が言うことを聞かないといけない状況からして、一連の騒動がかなり激しいものだということが感じられます。クリエーターからすると、時代が変わっても変わらず続けてきた、番組の中でのユーモアによる切り返しができないこと、とても悔しいだろうなぁ。
長く続けるって、本エピソードのテーマにもなっている"マンネリ"を超えていくことだけじゃなく、社会の流れに対応していくことでもあるのですね。変えてはいけないものと、変わらないといけないものとの境界線って一体…?変わろうとして奮闘する今回のお話のキャラたちを見て、そんなことを考えちゃいました。うーん、複雑。
- 作者:アーロン・マッグルーダー
- 発売日: 2004/08/29
- メディア: 大型本
<声の出演>
役名 | お名前 |
---|---|
ホーマー,プーチー | 大平透 |
マージ | 一城みゆ希 |
バート | 堀絢子 |
リサ | 神代知衣 |
クラスティ,データベース | 島田敏 |
ネルソン,アニメーター,オットー,ドグ | 桜井敏治 |
ラルフ,リンゼイ | 真柴摩利 |
ミルハウス,ロイ | 飛田展男 |
ジューン,イッチー,スクラッチー,受付 | 紗ゆり |
ブックガイ,ジャスパー | 青森伸 |
バーニー,サイドショーメル,バーニー,アニメーター,ミキサー | 広瀬正志 |
モー,弁護士,アニメーター,助手,質問するファン | 稲葉実 |
カール,マイヤーズ | 辻親八 |
ケント・ブロックマン,調査員 | 糸博 |
<日本語版スタッフ>
役職 | お名前 |
---|---|
翻訳 | 徐賀世子 |
演出 | 向山宏志 |
調整 | 飯村靖雄 |
スタジオ | グロービジョン |
番宣 | 鈴木路子(WOWOW) |
プロデューサー | 橘田寿宏(WOWOW),吉田啓介 |
配給 | FOXテレビジョン |
制作 | グロービジョン |