シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

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シーズン32、第14話「夢に生きる男クレタス"Yokel Hero"」

シーズン32、第14話「夢に生きる男クレタス"Yokel Hero"」March 7, 2021

モーの店でカールの誕生日を祝う、ホーマーたち。マージからの電話で渋々家路に着く途中で警察のトラ箱にぶち込まれた彼は、同じ牢に捕らわれていたクレタスが弾き語る家族と一緒なら金などいらぬという唄に、心を揺さぶられる…


<以下、ネタバレになります>


・ホーマーが預けた車のキーのコピーを作らせる、モー。壁にかけられている、その他のキーにも注目ください。
・帰宅の道すがらに酔っ払ったホーマーが口ずさむのは、映画『雨に唄えば"Singin' in the Rain"』主題歌の替え歌。


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シーズン13「家族再生は神の声:Brawl in the Family」では、“酸性雨に唄えば”なパロディシーンも。
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・地元のバーを皮切りに、クレスタを売り出すホーマー。

決して上手ではないが、シンプルで飾らない彼の唄と演奏は予想外に人気を集める。
ところで、これまでクレスタは月明りの下でこっそり醸造するので”Moonshine”と呼ばれる密造酒の製造で、生計を立てていました。

XXXと描かれた独特な形状の容器が、エピソード内のあちらこちらに登場します。
・アマチュアのミュージシャンをホーマーがプロデュースするという展開は、シーズン3「魅惑のカントリー歌手"Colonel Homer"」を彷彿とさせられますね。
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この経験から、マージは今回もまた面白くは思っていない模様。
クレタスとの関係を、映画「スター誕生"A Star Is Born"」のメインキャラクター2人にたとえるホーマー。
ここで、1937年製作のオリジナル版から、


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1954年版(出演:ジュディ・ガーランド、ジェームズ・メイソン)、


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1976年版(出演:バーブラ・ストライサンドクリス・クリストファーソン)、


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そして2018年版(出演:レディ・ガガブラッドリー・クーパー)、


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が挙げられるのに応えて、興行的には失敗した元ネタである『栄光のハリウッド”What Price Hollywood?”』という1932年製作作品に言及するクレタス。

別のシーンでも、このエピソードがプロットを引用しているエリア・カザン監督作品『群衆の中の一つの顔"A Face in the Crowd"』のタイトルを口にする彼は、なかなかのシネフィルですね。


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・とんとん拍子に売れっ子アーティストの階段を駆け上るクレタスのステージは、エレン・デジェネレスが司会を務める実在のトークショー"Ellen: The Ellen DeGeneres Show"へのゲスト出演により盤石なものに。

・豪華な専用機の機内で成功の祝杯をホーマーと交わしたクレタスは、感謝の意を伝えた直後にクビを宣告。

・新たにクレタスが契約を結んだ有力マネージャーのオフィスの壁を誇らしげに飾る、プーチンオバマなどトップクラスの著名人のポートレイトの中には、

舞台作家・演出家のシンクレアや

シーズン4「マージという名の電車"A Streetcar Named Marge"」simpsons333.hatenablog.com
プロボクサーのテイタムなど、

シーズン8、第3話「最強の男ホーマー:The Homer They Fall」simpsons333.hatenablog.com
劇中のセミレギュラーの姿も見えますね。
・ダフビールとのコラボレーションと共にCM出演も果たし、セレブとして悠々自適な暮らしを楽しむクレタス。

あっさりと用済みにされたのが腹立たしいホーマーと、捨て置かれた家族たちの悲しみと怒りを見過ごせないマージは、彼らを元のさやに戻さんと試みるのだが…