シーズン16、第12話「ホーマーとセルマの子供:Goo Goo Gai Pan」March 13, 2005
バーンズの運転免許証更新テストに立ち会ったセルマは、原因不明の“ほてり”に襲われ病院に担ぎ込まれる。ヒバート先生に更年期の兆しと診断された彼女は、とうとう自分の子供を持つチャンスを失った事実にうちひしがれる。悩んだ末に、中国の孤児を養子に取る決心をしたものの、里親は夫婦でなければならないという規定に阻まれたセルマは、絶対に取りたくなかった奥の手に出るのだが…
【注目ポイント】
・原題はアメリカの中華料理店のポピュラーなメニューである、"Moo goo gai pan(マッシュルームと鶏の細切り炒め)"が元になっている。
・ヒバート先生がセルマに見せる、閉経を迎えた女性に向けたビデオに登場するのは、50年代から映画俳優として活躍し、その後もTVシリーズ「探偵ハート&ハート」や、最近ではオースティン・パワーズのDr.イーヴィルの手下役などでお馴染みのロバート・ワグナー。
・セルマが養子縁組の相談に訪れた中国領事館の看板には、"Russua's Wacky Neighbor"とある。領事館内の地図にも要注目!
・中国に向かう飛行機の窓からホーマーが目撃する龍の姿は、『千と千尋の神隠し』に登場するそれのパロディっぽい。
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・「リンカーン記念館よりも立派だ!」とホーマーが感嘆の声を挙げる、"General Tso's chicken(鶏のから揚げ甘酢あんかけ、Moo goo gai panと同じくアメリカでは定番の中華メニュー)"の記念碑は、中華のテイクアウト容器を模して巨大化したもの。
こちらが、ワシントンDCにあるリンカーン記念館。
・北京の養子縁組担当職員マダム・ウーは、劇場版『チャーリーズ・エンジェル』や『キルビル』などで知られ、声優としての仕事も少なくないルーシー・リュー。
・シンプソンズ一家が外国に行くお話では、決まってその国の文化や伝統をおちょくる行為に出て、激しいしっぺ返しをくわせられるホーマー。今回のターゲットは少×寺の修×僧たち!
・一方、毛主席紀念堂に安置されている毛沢東の遺体に悪態をつきまくるホーマーは、お咎めナシ。
なお、上のスチルにある様に初放映時には、展示台と遺体にかけられているシーツに鎌と槌の共産党のシンボルが描かれていたが、それ以降の放映分では五星紅旗に替えられている(理由は不明)。
・ピラミッドや戦艦大和と並び“世界三大無用の長物”の一つとしてバカにされる万里の長城だが、実は21世紀の今なお立派に役立っていた?!
・彼らが観劇する京劇風の舞台の演目は、原作者アーサー・ミラー本人の演出により、実際に北京で上演された事もある『セールスマンの死』。元々はフーマンチューなどで、白人の役者を東洋人キャラクターとして演じさせる為に使われていた、極端にデフォルメしたメイクが踏襲されているのがオカシイ。
・珍しくおとなしい、バートとリサ。しかし、マダム・ウーがチベット問題に言及するないなや、猛然とキレるリサ!
・可愛らしい養子のリンを巡って真っ向から対立するマダム・ウーとセルマだが、意外な共通点が糸口となって、ふたりは和解する。
・今回の"Why you little!(お前ってヤツは!)"の相手はバートではなく…
・飛行機ではなく、ジャンク(木造帆船)に乗って中国を後にする一行を見送る龍たちの歌が傑作です。
・何故かエンディングに、デヴィッド・シルヴァーマンによるバートの書き方教室が唐突に挿入されています。毛主席紀念堂のシーンの他にも、このエピソードには初放映時以降に手を加えられた部分があるらしく、そのせいで減った分の時間の穴埋めとして加えられたものかもしれません。