シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

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シーズン33 第21話「ミート・イズ・マーダー:Meat Is Murder」

シーズン33 第21話「ミート・イズ・マーダー:Meat Is Murder」 May 15, 2022

50年前、駆け出しの芸人だったクラスティは、伝説的コメディアン George Carlin:ジョージ・カーリンの前座として、舞台に立つチャンスに恵まれる。だが意気込みも空しく、渾身のギャグは不発で大失態の憂き目に…


<以下、ネタバレとなります>


・オリジナルサブタイトルは、The Smiths:ザ・スミス のアルバムタイトルからの引用。そのタイトル曲は、菜食主義者である Morrissey:モリッシー による"animal rights"をテーマとしたもの。同じく菜食主義のリサが、ファストフードからスタートした巨大企業の内部抗争に巻き込まれてしまうという、皮肉な展開を反映させている様です。
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国内版アルバムのリリース時には、帯に『肉喰うな!』とのコピーがつけられていたそうです。ところで、シーズン6「スプリングフィールド映画祭:A Star Is Burns」には、ストリートラッパー風のラビが"Don't eat pork"とのリリックをライムするシーンがあります。しかし、これは肉食全般への抗議ではなく、ユダヤ教の禁戒を意味しています。

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シーズン5、「バートは大スター!! "Bart Gets Famous"」における、バートの I Didn't Do It!:俺はやってないよ! も同じく、MC Hammer:MCハマー U Can't Touch This が元ネタ。
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またモリッシーというと、リサの前にそれとよく似たイマジナリーフレンドが現れるという設定の、シーズン32「リサの見えない友達"Panic in the streets of Springfield"」が思い出されますね。
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・どんなに気落ちしても、やはり腹は減る。帰り道に"WORTH A TRY(やる価値はあった)BARGER"なる屋号のハンバーガーショップに立ち寄るクラスティ。その商品提供の迅速さに感心し、この事業には伸びしろがあると感じた彼は、その場で広報担当に立候補。スタンドアップコメディの技を生かした、集客アップの試みは大成功!

順風満帆に思えたものの、クラスティが店長のガスに高給を要求したことで、両者は決裂。道の真向かいに出来たクラスティバーガーを名乗る新店舗に客を奪われ、ガスは泣く泣く撤退する。

この流れは、元々は家族経営の小規模な店だったマクドナルドが、その権利を買収したレイ・クロックの強引な手腕により、全世界的チェーンへの成長を遂げる経緯を描いた、映画 The Founder:ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ のパロディとなっています。
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・その後、芸能人の副業としては十二分過ぎる成功を収めているクラスティバーガー。

50周年を祝うフェスティバルを告知するCMで紹介される、著名人を模したキャラクターのひとり Patty Meltin' John は Elton John:エルトン・ジョン のパロディ。それを目にしたホーマーが口にする"Princess Fries' funeral"の歌とは、1997年に事故で亡くなった元ダイアナ妃の葬儀にて、エルトンが弾き語った追悼曲 Candle in the Wind を指しています。
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・記念フェスの会場で、創業時と同じ25セントで販売されるハンバーガーを大量に入手してはしゃぐホーマーが、瞬く間に不運に見舞われる様子を目にしたエイブは、傍らのリサにつぶやく、"The Simpson curse"と…

*かつて日本のマクドナルドにあった、100円バーガーが懐かしいですね
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・その頃、主催者テントでくつろぐクラスティの元に、立派な身なりの老人が現れる。それは、かつて彼に煮え湯を飲まされた、ガスことオーガスタス・レンフィールドの現在の姿。その屈辱をバネに出世を重ねた彼は、今や世界の冨居TOP9のひとりだと誇らしげ語る。

ガスの声を担当するのは、名優 John Lithgow:ジョン・リスゴー。1970年代から広く活躍を続け、最近では Conclave:教皇選挙 にて、カナダはモントリオール枢機卿を演じていました。

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・クラスティバーガーのみならず、その関連会社やクラスティのキャラクター権利までも買収したと、フェスに集まった人々に宣言するガス。その壇上からエイブの姿を見つけると、懐かしそうに声をかける。そう、ガスとエイブはバーガーショップ時代の相棒だったのだ!

*向かって右の人物に注目!
シンプソンズ家に押しかけて、また一緒にビジネスをしようと誘うガス。何事もシンプソン一族が関与すると、良くない結果に終わるという、例の呪いを気にして渋ったものの、リサの同行を条件に申し出を承諾するエイブ。

*あの時ガスを見捨てたことへの後悔の念は、今も心の奥にくすぶっている様です
・エイブとリサは、ガスの大邸宅にて、やがて跡継ぎとなる3人の子どもたちに紹介される。

*それぞれ顔立ちが異なるので、異母兄弟らしい。次男マブの母親はアジア系かな?
なお、Family Guy:ファミリーガイ をはじめとした声優としての活動も目立つ Seth Green:セス・グリーン 演ずるマブは、失敗フェスとして悪名高い Fyre Festival:ファイア・フェスティバル まがいのスキャンダラスなイベントに関わっている最中の様です。
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・ここでお話は、巨大企業の後継者争いを描いた、TVシリーズ Succession:メディア王 華麗なる一族 のパロディとなります。
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なお、アマゾンプライムでの配信分の邦題は「キング・オブ・メディア」となっています。・新たにファミリーに加わったエイブを懐柔するべく、リサに接近する長女シーラ。

彼女がプロデュースした映画の監督とされている Chloé Zhao クロエ・ジャオ は、Nomadland:ノマドランド や、MCUの Eternals:エターナルズ などでお馴染みですよね。
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・そして、NYCの本社ビルで役員会が開催されることに。彼らが登場するシーンは、見かけのみならず劇伴までもオリジナルを模しています。

エイブと子どもたち以外の役員は、元ドイツ首相 Angela Merkel:アンゲラ・メルケル、著名投資家 Kevin O'Leary:ケビン・オレアリー、そしてインフルエンサーの Charli D'Amelio:チャーリー・ダミリオ(声は本人)。

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会議ではシーラが提出するのは、ガスの排除を求める動議。その賛否票は同数で、決着がつかない。そこで、エイブに決定権を委ねられ、彼がここに呼ばれた理由が露わとなる。またしても、シンプソン一族の呪いが発動してしまうのだろうか…?

・エンドクレジットでは、途中退場を余儀なくされたクラスティの、その後が描かれます。なお本エピソードは、2022年5月に初放映されたものです。