シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

「ザ・シンプソンズ」を日本で広めるために日本語吹替版のエピソードガイド、グッズを買えるお店の紹介、大平透さん使用のアフレコ台本の研究、等々を掲載しています。

シーズン6、第5話「サイドショー・ボブ・ロバーツ "Sideshow Bob Roberts"」

シーズン6、第5話「サイドショー・ボブ・ロバーツ "Sideshow Bob Roberts"」October 9, 1994

マージに眉をひそめられながらも、過激な右派コメンテーター、バーチ・バーロウのラジオ番組に夢中なホーマー。彼の存在が、バートそしてシンプソンズ一家の最大の宿敵である"あの男"を、三度蘇させるきっかけになるとは、まだ誰も気づいてはいなかった…
<以下、ネタバレになります>
・ホーマーに負けずとも劣らぬバーロウの大ファン。それは、シーズン1「クラスティは強盗犯?"Krusty Gets Busted"」で恩人クラスティを犯罪者として陥れるようとするも、バートの活躍で阻止されて逆に収監され、シーズン3「名探偵バート"Black Widower"」では出所後、今度は結婚詐欺師としてセルマを亡き者にしようとの計画を、やはりバートに見破られて再び収監。そしてシーズン5「よみがえった男"Cape Feare"」にて、シンプソンズ一家の皆殺しを図るも、またもバートの機転により敗北の憂き目を見た、あのサイドショー・ボブ!

ボブは刑務所の中からラジオの生放送に電話出演して、バーロウの信頼を得ることに成功したのでした。

・折しも、スプリングフィールド市長選挙の時期が近づき、不当逮捕だ!と喚き散らすバーロウの扇動に乗せられた一部市民の人気取りに、現市長のクインビーはボブの仮釈放命令を出してしまいます。

その後、この件は犯罪者に甘い市長というネガティブキャンペーンに、しっかり利用されてしまう結果になるとも知らずに。

スプリングフィールド共和党本部では、バーンズをはじめとした党員たちが、クインビーの対抗馬の選出を討議中。

出席していたバーロウは、ここで強力な対抗馬を紹介します。それは、お察しの通りボブその人!

ここで、ボブが星条旗をマントの様に羽織っているのは、手段を選ばず上院議員選挙戦を勝ち進んでゆくタレント候補者の姿を、 ティム・ロビンスの監督・脚本・主演で赤裸々に描いた映画『ボブ★ロバーツ"BOB ROBERTS"』のメインビジュアルを模したもの。


またオリジナルサブタイトルも、この作品のそれにちなんだものです。・いよいよ選挙戦が開始され、小学校の視察にやってくる二人の候補者。クラスティの助手時代に身につけた技で、ボブはたちまち子どもたちをとりこに。

脅威を感じたバートとリサが、クインビーに飛びついて熱烈支持を宣言するも、当人は状況を把握できずにいる様子。

そんな姿を目にしたボブは、バートを捕まえて、無駄な抵抗はやめろと警告します。家の前で解放されると、ちょうどホーマーもクラシックカーに載った見知らぬ若者たちから、同じく解き放たれたところ。

彼らは、『アーチーでなくちゃ!"The Archie Show"』というコミック・アニメシリーズのキャラクターたち。ホーマーは、勝手にそちらに出演しようと目論んだところを、捕まった様です。

なお、シンプソンズでは作品を越えたゲスト出演は結構あり、『キング・オブ・ザ・ヒル"King of the Hill"』のヒル一家がスプリングフィールドにやってきたり、サウスパークに関してはそれぞれのキャラクターが出演しあったりもしています。

・高齢層の票を狙い、老人ホームを訪れるボブ。皆さんの願いをなんでも聞きます!と口にしたおかげで、グランパの詰まらない長話を延々聞かされる羽目に…

・ボブとクインビーのTV討論が開催されます。

司会は、CNNのトーク番組『ラリー・キング・ライブ"Larry King Live"』などで知られる大物キャスターのラリー・キング

・体調の優れないクインビーにバートは風邪薬を大量に飲ませますが、そのせいもあって、さらにグダグダとなってしまった彼はボブに完敗。

これは、1960年に行われたケネディニクソンの大統領候補者討論で、それまで優勢につけていたニクソンが、ラジオ討論では問題にならなかった見栄えの良し悪しなどによりケネディに遅れを取り、その後の選挙戦に大きな影響を与えた経緯のパロディとなっています。

汗をだらだらかいた上に、偶然に悪魔っぽい髪型となってしまったクインビーの姿に、地獄の業火を思わせるCG処理を付け足した、恣意的な演出。当時はギャグに過ぎなかったこういった印象操作が、今や現実になりつつあるのを思うとゾッとさせられますね。

・選挙は圧倒的優位でボブが当選!

勝利宣言のシーンは『市民ケーン"Citizen Kane"』のそれのパロディ。

・権力を得たボブは、早速シンプソンズ一家への復讐を開始。まず、高速道路建設のために、72時間以内の立ち退きを命令します。

・さらに、バートは幼稚園生に格下げされてしまいます。小さい子の中に放り込まれ急に優等生となった彼は、ちょっと嬉しそう。

なお、バートのお気に入りオモチャ"フリントストーン電話"から流れてくる主人公フレッドの声は、実はコチラの声の出演も担当した経験がある、ホーマー役の大平透さんが演じています。

・この選挙には不正があるのではないかと疑うリサは、独自に調査を開始。行き詰ったところに、内部通告者からの情報が提示されます。

ウォーターゲート事件を扱った公開中の映画『ザ・シークレットマン"Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House"』の主人公もかくやな、ディープ・スロートの正体は? そして、その人物が身内を裏切る理由は如何に?

・このくだりで示唆される、シンプソンズ家の愛猫スノーボールは黒猫なのに、何故そんな名前なのかのとの疑問に答える小ネタにも要注目です。



<声の出演>

役名 お名前
ホーマー 大平透
マージ 一城みゆ希
バート 堀絢子
リサ 神代知衣
エイブ 滝口順平
サイドショー・ボブ 村山明
バーロウ 西村知道
クインビー 辻親八
スキナー 青森伸
クラバーペル 巴菁子
バーンズ 北村弘一
ユダヤ系老人 朝戸鉄也
モー 稲葉実
バーニー 広瀬正志
先生 真柴摩利
ケント・ブロックマン 糸博
ミルハウス 飛田展男
クラスティ 島田敏
スミサーズ 目黒光祐
ライオネル・ハーツ 石丸博也