シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

「ザ・シンプソンズ」を日本で広めるために日本語吹替版のエピソードガイド、グッズを買えるお店の紹介、大平透さん使用のアフレコ台本の研究、等々を掲載しています。

【大平透さん大サイン会】

 休憩時間が終わり、再びステージの幕が上がる。
無人のステージの中央にはマイクスタンド、ステージの下手には司会の台、上手には大きな机とイスが用意してある。

クラスティー(声だけ)

「あ〜ハンバーガー喰いすぎたわ・・・ あ〜そろそろな・・ わかった・・
お〜い!!そろそろだってよ!!みんなも席についてくれ、はじまるぞ〜!!」


マージ(声だけ)

「ほらほらホーマー! はじまるわよ〜 
ちょっと、ホーマー!なにが『モア(もっと) ビール』よ!?
バート!リサ! 用は足したの? は? 『4は足したら5だ?』
な〜にワケの分からないこと言ってるの!?ほら!ファンのたちが待っているのよ?急いで!急いで!!」


そして、司会の島田敏さんと一城みゆ希さんが登場する。



 一城さん
「うるさかったでしょう?」(会場笑い)


島田さん
「一城さん、第2部はどうなるんですか?」


一城さん
「これが、すごいんですよ!島田さん!!
 第2部はですね、大平透さんのサイン会になります!ご希望の方全員です!
 最大500名様に大平さんが、(ファンの皆さんが)お持ちになった
シンプソンズMOVIEのDVDにサインをします!!!」


会場がどよめく!



島田さん
「あの〜全員ですか?」


一城さん
「そうなんです! じつはね? 打ち合わせの時に、全員ていうのはやっぱり大変な数ですから 例えば、20枚あるいは50枚くらいにして抽選で当たった方に差し上げたらいかがですか?って申し上げましたら、大平さん、何て言ったと思います?



   (大平さん)
    「それじゃ、かわいそうでしょ? 不公平でしょ?
    ある人は貰って、ある人は貰えないんじゃ、とってもかわいそうです。
    僕は全員に方にサインをしてあげたい!!」


っておっしゃったんです!!」


会場から大きな拍手が沸きあがる!!



島田さん
「大平さんが、このファン感謝祭にかける熱い想いが伝わってくるお言葉ですね!」


そして、一城さんが大平透さんを呼び寄せる!


一城さん
「パパ〜!
 もう、『パパ』って呼び慣れているんです(笑)」


一城さんは普段から大平さんのことを『パパ』と呼んでいるのは大平透さんからも聞いていましたが、実際に自然に呼びかけるところをみて、本当にホーマーとマージのやり取りを見ているようで、気持ちが温かくなってきます。


島田さん
「では、神代さんに助手としてついてもらいます」


一城さん(抱いているマギーを神代さんに渡しながら)
「リサちゃん、じゃあマギーちゃんをお願いします!」


神代さんが大事そうにマギーを抱えて大平さんの隣に座り、サインした枚数のカウントを用意する。いよいよ、大サイン会が始まるのだ!


一城さん
「大平さんのサイン会、スタートします!!」



 ボランティアスタッフの誘導で会場のファンが続々とステージに上がっていく。
ファンは持参した「シンプソンズMOVIE」のジャケットを大平さんに差し出す。
大平さんは右手でサインをしながら左手で握手をしていく(実に器用)! 全員のDVD・BDジャケットに一枚・一枚心を込めてサインをしていくのだ。そして、神代さんは横でサインの枚数をカウントしていく。

大平さんは、10月26日の復帰発表のとき、
『巨大なスクリーンにDVDを投射します!そして皆さんに見てもらい、握手会でもサイン会でも、なんでも、出来ることをそこでやります』
とおっしゃいました。あの時、私達はファン感謝祭が実現したらどんなにいいだろうかと思いつつも、本当に実現するのか?という不安も抱いていました。しかし、大平さんは約束どおりそれを目の前で全て実現させているのです。

今回のファン感謝祭で会場探しの次に大きな問題がこのサイン会だったのです。


みなさん、自分の名前を100回でも書いた事がありますか?


 大ベテランの大平さんでも、さすがに一度に500枚のサインを書いた経験は無かったそうです。大平さんが『500人にサインする!!』とおっしゃった時、島田さん、一城さん、私達全員、お身体への負担があまりに大きすぎるので考え直していただくように何度も申し上げました。しかし、大平さんは『私が来てくれた人ひとりひとりに感謝を示すには、サインと握手をしなくてはいけないんだ!!』と強く、強く希望されたのでした。
 齢78歳にして、なお、新たな事に挑戦する気迫!ファンに対する強い感謝の気持と責任感!!もはや、無粋な邪魔立ては無用と考え、ボランティアスタッフは大平さんの気持ちを実現させるために全力で準備を行うことにしました。

「実際問題、何にサインするか?」「普通は色紙でしょう」「その色紙代はどうする?500枚の色紙なら相当な金額になる・・・実費だけでも徴収するか?」「サインする時間はどれくらいかかる?会場の終了時間に間に合うのか?間に合わなかったらどうする?」「参加者各自に色紙を持ってきてもらうか?」「しかし、大平さんは元気とはいえご高齢だ、当日、体調が悪ければ中止にするかもしれない、事前に告知して、もしも中止になったらファンをガッカリさせてしまう・・・その場合はどうする?」などなど、考え始めると様々な障害がありました。何度も何度も打ち合わせをかさね、最終的にサインをするものは「シンプソンズMOVIE」のDVD・BDジャケットに限定することになりました。

色紙にサインをするとなると、腕への抵抗はとても大きく、かなり大きな負担になってしまいますが、ツルツルしたDVDジャケットならば、表面は滑らかで抵抗が少なく、腕にかかる負担も最小限ですみます。また、同じものにサインをすればリズムやペースが一定になり負担が軽くなります。
 もし、一人一人が好きなものにサインをしてもらうようになればペースが狂ったり、1人で何枚もサインを希望する人が出てくれば時間内に終了出来なくなってしまうかもしれません。

ですが、シンプソンズMOVIE」のジャケットであれば全員が来場の証として持ってくるので、必ず各家庭にサインを届ける事ができ公平であり、上映会を承認してくれた20世紀FOXにも宣伝として貢献でき、大平さんへの負担も少なく済むという最善の解決策だったのです。万が一中止になっても、色紙が残ってしまう、という事態もなくなります。
そんなわけで事前の告知はせず、当日サプライズがてんこもり、という事態になったのでした。