追悼・滝口順平さん(1)：シーズン2：第17話「黄昏：Old Money：March 28, 1991」

シーズン2：第17話「黄昏：Old Money：March 28, 1991」

薬を取り違えられたのをきっかけで知り合った、同じ老人ホーム入居者のベアトリス(ビー)と相思相愛の恋に落ちるエイブ。幸せな交際を続けるふたりだったが…
＜以下ネタばれになります＞
＜チェックポイント＞
・じっちゃんのファーストネーム"Abe"が登場するのは、このエピソードがはじめて。

また、ベアトリスの愛称"Bea"は"Abe"のアナグラムです。
・邦題サブタイトルは、晩年を迎えた父親と長らく不和だった娘との和解の経緯を、実際の親子であるヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダの競演で描いた、映画「黄昏"On Golden Pond"」にちなんだもの。

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・親孝行を口実に、一家揃っての買出しに定期的に付き合わされるエイブ。別れ際にビーフジャーキーを手渡されるのが、お約束の様ですが…

本人は全く嬉しくないらしく、引き出しの一番上の段は手付かずのジャーキーでいっぱい。

・それまでの不機嫌が彼女との出会いで吹っ飛んだエイブと、ビーのふたりが、仲睦まじく薬を飲むシーン。

これは、１８世紀イギリスの作家ヘンリー・フィールディングの代表作『トム・ジョウンズ』をトニー・リチャードソンが監督した『トム・ジョーンズの華麗な冒険"TOM JONES"』の有名なシーンからの引用。

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・久しぶりにエイブが引っ張り出したポマードは、大西洋単独無着陸飛行の達成で知られる、チャールズ・リンドバーグ印。キャッチコピーが秀逸。

・共に若さを取り戻して交際を続けるふたり。日本語吹替え版のダンスシーンでは、滝口順平さんの歌も聴くことが出来ます。

・ビーのオリジナル声優を演じたのは、５０年代の人気sitcom"The Honeymooners"のメインキャストだったオードリー・メドウズ。


なお２００５年に、この"The Honeymooners"のリメイク映画版(邦題「ビッグ・トラブル in NY」)が製作されています。

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・さて、ビーの誕生日プレゼントを用意しているところを、今日はイイところに連れて行ってあげると連れ出され、一家そろってのサファリパーク見物に出かけるハメとなるエイブ。

しかし、ホーマーのチョッカイで猛獣の只中に閉じ込められてしまう。

・翌朝ようやく解放され、老人ホームに戻ってきたエイブを悲しい知らせが待っていた。

・不在のうちに急死したビー。無理に連れだされたせいで、その死に目にあえなかったのを悔やむエイブは、葬儀の席でホーマーに縁切りを宣告！

・ビーはエイブに１０万ドルの遺産を残してくれていた。気晴らしに散財しようと街に出るエイブだが、彼女を失った喪失感はつのるばかり。

・そんなエイブの傍らに不意に現れたビーの亡霊。彼女は、遺産は一番必要としている人の為に使ってほしい由と、ホーマーとの和解を懇願して姿を消す。

・急いでシンプソンズ家にかけつけ、ホーマーを許したエイブは、遺産の使い道を決めるプレゼンテーションを開催する。

・私利私欲ばかりの内容にうんざりしているところに、リサのアドバイスで市内の貧民地区を訪れるエイブ。

このシークエンスに登場するガラス張りの軽食堂の情景は、２０世紀アメリカを代表する画家エドワード・ホッパーの代表作"Nighthawks"を元にしたもの。


・使い道は決まったものの、その目的にの為には１０万ドルじゃとても足りないと、カジノへと出かけるエイブ。

それを耳にし大慌てで後を追うホーマーが、その途上で目にしたのは？

・ドタバタの後、六ヶ月の時間を経て実現したビーとエイブの夢の結晶の紹介でエピソードは締めくくられる。

・なお、このエピソードのエンディングクレジットは、オリジナルの各声優と担当役名がそれぞれ表示される、特別な仕様になっています。

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＜声の出演＞

役名	お名前
エイブ	滝口順平

役名	お名前
ホーマー	大平透
マージ	一城みゆ希
バート	堀絢子
リサ	神代知衣
ビー	矢野陽子
モンロー	富田耕生
ハーマン	千葉繁
ハーツ	石丸博也
バーンズ	北村弘一
オットー	安西正弘
ジャスパー	青森伸
ケント	糸博
モー	稲葉実
ヘイゼル	島香裕
看護師	寺内よりえ

＜日本語版制作スタッフ＞

役職	お名前
翻訳	徐賀世子
演出	春日一伸
調整	栗林秀年
スタジオ	STUDIO SAURUS