シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

「ザ・シンプソンズ」を日本で広めるために日本語吹替版のエピソードガイド、グッズを買えるお店の紹介、大平透さん使用のアフレコ台本の研究、等々を掲載しています。

堀絢子さんが「INsideOUT」に出演されました

BS11(ch.211)で月〜金曜に放送中の「INsideOUT」。8月16日(火)には、戦後66年特集の2回目として、反戦反核ひとり芝居「朝ちゃん」を1989年から22年に渡って演じ続けられている、バート役:堀絢子さんがご出演されました。

冒頭に、堀さんが「朝ちゃん」を演じられるようになった経緯についてのお話。

どうしても次の世代に伝えなくてはいけないことだと思うんですね。ずっと子ども番組に関わらせていただいて来たものですから、その恩返しも含めてぜひ「朝ちゃん」をさせていただきたいと、始めました。
母が毎年夏になると、ずっと泣きながら父の最期を語ったり、美味しいものを食べたらこれを食べさせてあげたかったって言ってまた泣きますし、綺麗な景色を見るとこの景色を見せてあげたかったといって泣くんです。それを聞いてとっても辛かったんですけど、私はどうしてもやりたい、風化させてはいけないということで「朝ちゃん」を始めました。
原爆がテーマになったいろんな本を読ませていただいたり、いろんなお芝居を観させていただいたんですが、これ(「広島の母たち」著・山本真理子)を読んだときに、「これだ、私がやらせていただきたかったのは!」ということで、すぐ原作者の方にお電話をしたら「どうぞどうぞ」と言っていただきまして。

広島の母たち (フォア文庫)

広島の母たち (フォア文庫)


軍医をされていた堀さんのお父様のお話も…。
満州奉天というところで父が開業していたのですが、もう危ないから引き上げて来いということで終戦の1年前の暮れにみんなで引き上げて、故郷の近くある空いていたお医者様のお家でまた開業しておりました。そうしたら春に父が招集されまして、広島に回されたんですが(陸軍第五師団)、母が広島出身なものですから、あぁ広島でよかったなんて言っていたんですが、8月6日の点呼の時間にピカドンを受けてしまって。父はトラックに自分で這い上がって、ずっと離れた三好というところにある高校にある講堂まで運ばれたそうです。
山口から電報を出してもハガキを出しても父から手紙が着かなくて、やっとヨレヨレのハガキが着きまして、消毒液とか包帯とかガーゼを持っていたんですけど、父は自分の状態が分かっていて「見るな!」と言って、「待ってた待ってた…」と言いながら教育のこととか経済のこととかを一生懸命話続けて、そのまま8月20日の明け方に亡くなったんです。


次に、実際にスタジオで「朝ちゃん」を演じられました。実際の上演時間は42分間ですが、今回はTV版ということで約10分の短縮版。物語は広島に原爆が投下された直後から始まりますが、放送では、原爆が投下され朝ちゃんを秋ちゃんが発見する場面から始まります。先ほどまで堀さんがお話されていたスタジオ内がステージとなっており、かなり狭い中で演じられているわけですが、いつもの公演と変わりなく、堀さんの熱い思いと表現力で、そこにはあの日の広島の景色が浮かびます。

42分の完全版をご覧になりたい方は、こちらのブログや「朝ちゃん応援ブログ」に随時公演情報をUPしておりますので、ぜひ会場へ足を運んでみてください。


続いて、「朝ちゃん」を演じられるようになってからのエピソードに関するお話。
過去なんだけども、やる方もみる方もちょうどその場所に居合わせたという"現実"が欲しいんです。そこにそれが生まれることによって、直感したり考えたりをしていただけるんじゃないかなと思います。
作家の御主人が書いた文章が言葉として立ち上がることに凄いびっくりしたとおっしゃいました。それから広島の高校の教頭先生も言葉がこんなに力が持つということをはじめて知ったっておっしゃいましたし、もう自殺しようと思っていたけれどこれからはちゃんと生きていきますって言った女性の方もいました。



また、第206・207回公演として下北沢で行われた際のエピソードも。
スウェーデンからダンサーの方が来日されて一緒に公演する予定で、打ち合わせもしていたのですが、(原発問題で)スウェーデンは国として日本に行かせられないということで、いらっしゃられなくなってしまったんですが、その代わりにスウェーデン(9月に210回目の公演として)に呼んで下さることになったんです。



最後にまとめとして…
死にたくないのに死なされたという人たちの分まで生きてあげよう、どんなに辛いことがあっても少しは楽しいことに巡り合えますから、みなさん頑張って生きましょう!


堀さんの思いがよく伝わってくる番組でした。堀さんは、反戦=半千=500回公演を目指し、日々「朝ちゃん」を演じ続けていらっしゃいます。二度とこの過ちを繰り返してはならない、命を大切さを伝えたい、そんな思いでいつでも「朝ちゃん」を演じられるように、この22年間、ずっと髪型を朝ちゃんのおかっぱ頭にされており、またアップダウンの激しいお芝居ということもあって毎日のトレーニングも欠かされていません。そんな熱い思いのこもった「朝ちゃん」、ぜひ1人でも多くの方に観ていただきたいと思っております。

番組での紹介にもありましたように、依頼さえあれば全国・全世界どこでも飛んでいかれるそうですので、学校・団体・会社等々…公演を依頼したいという方はぜひ「スタジオデュオ堀 慶子事務所」さんまでお問い合わせください。

「朝ちゃん」お問い合わせ先
スタジオデュオ 堀 慶子事務所
TEL 03-6273-7571、FAX 03-6273-7572、e-mail:duohori@river.ocn.ne.jp



※【公演のお申し込み】堀絢子さんはボランティアで無料出演されておりますが、スタッフ人件費・音響照明機材費・交通費などの経費がかかるそうです。詳しくは【スタジオデュオ 堀 慶子事務所】にご相談ください。


今後の「朝ちゃん」の公演情報は『朝ちゃん応援ブログ』をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/asachan500/


あなたの会社や学校や街でも「朝ちゃん」の公演をリクエストしてくださいね!