シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

「ザ・シンプソンズ」を日本で広めるために日本語吹替版のエピソードガイド、グッズを買えるお店の紹介、大平透さん使用のアフレコ台本の研究、等々を掲載しています。

シーズン11、第11話「バートの神様お願い:Faith Off」

シーズン11、第11話「バートの神様お願い:Faith Off:January 16, 2000」

<あらすじ>
スプリングフィールド大学の同窓会に出席したホーマーは、イタズラで接着剤が入ったバケツを頭にかぶって取れなくなってしまう。医者にも見離されて途方にくれていた時に奇跡の伝道者ブラザー・フェイス(BROTHER FAITH'S)に出会い、力を分け与えられたバートがホーマーのバケツを外す奇跡を起こす。
奇跡に目覚めたバートは伝道者となって次々と奇跡を起こしていく。奇跡を信じて子供達は大興奮だったが,
奇跡を信じたミルハウスが怪我をしてしまい、バートは自分の奇跡がまやかしなのではないかと自信を失いはじめる・・・・。
一方、ホーマーは大学フットボールのハーフタイム・パレードのアイデアを考えていた。試合当日のハーフタイムパレードでホーマーはとんでもない事件を起こしてしまう。最後の望みはバートに託された。バートは奇跡を起こせるか?!

<以下ネタバレ>


<注目ポイント>
・今回の原題「Faith Off」のモデルはジョン・トラボルタニコラス・ケイジの競演で話題になった「Face/Off.」


スプリングフィールド大学同窓会
シーズン5の時の校門



シーズン11の時の校門

ホーマーが大学に在籍していたのはシーズン5「ホーマー大学へ行く:Homer Goes to College」。核取締委員会の指導で大学に入学して核物理学の単位をとらされることになった(入学はバーンズの裏口工作)。実際は落第したがコンピューターの不正操作でA+の好成績を納めて卒業した。「学生の本分はイタズラとバカ騒ぎ」(ホーマー)



・ドアノブにネクタイ

アメリカでルームシェアなど共同生活している人が部屋に恋人を連れ込んでいる時に同居人に「入ってくるな!」と知らせるサイン。ホーマーとマージは”学生”というシュチュエーションになると発情するシーンがたくさんある。ちなみにエッチなグラビアを見ている時はドアノブにスキー帽をかけるのがエチケット。


・おたくトリオ

大学生時代のホーマーの学生家庭教師だったオタク(nerd:ナード)。ホーマーは「昔のルームメイト」と呼ぶが実際はホーマーは入寮していない。逆にシーズン5でホーマーのせいで退学になった時に、おたくトリオがシンプソンズ家に居候していて、バートとリサはスクラッチーがイッチーをやっつけるシーンをテレビを消されて見逃してしまった。後にホーマーのおかげで復学(学生部長は車に引かれて重症)。名前は右からベンジャミン(Benjamin:黒人四角メガネ), ダッグ(Doug:太っちょ丸メガネ), ギャリー(Gary:白人でハイウエスト)。

男子寮のルームNo.222が彼らの3人部屋。入り口のポスター「SPACE MUTANUTS 5」はシーズン5・11 共に同じまま。


・大学の警備員が監視カメラで5年前のホーマーと今のホーマーを比べるシーンは映画「ターミネーター2」のパロディ


・バケツに穴を開けるシーンはロボコップのパロディー



・土に塩を撒くと何も生えません・・・


・奇跡の伝道者ブラザー・フェイス(BROTHER FAITH'S)
奇跡の伝道者ブラザー・フェイスのキャッチフレーズと声の調子(米語版)はジェームズ・ブラウンのパロディーであることから、キャラクターの元になったのは映画「ブルースブラザーズ」でジェームズ・ブラウンが演じたトリプルロック教会のクレオファス・ジェームズ牧師。ジェームス・ブラウンが歌い黒人ダンサー達が踊る「THE OLD LANDMARK」は映画歴史に残る名シーンです。



・奇跡の伝道者ブラザー・フェイス(BROTHER FAITH'S)の声優

アメリカでブラザー・フェイスの声優をしたのは映画俳優ドン・チードル(Don Cheadle)。ドン・チードルルワンダ紛争を描いた映画『ホテル・ルワンダ』で その年のアカデミー主演男優賞にノミネートされ脚光を浴びた。日本でドン・チードルの吹替えを演じた声優:内田直哉さんは映画「ソード・フィッシュ」のテレビ放送版でもドン・チードル役を吹替えしているそうです、この辺に演出のこだわりを感じます。ちなみにDVD版ではスミサーズ役の目黒光祐さんがドン・チードル役を吹替えされています。
ホテル・ルワンダは当初、無名の俳優、見知らぬ国の話で集客が出来ないと日本公開が見送られた映画でしたが、公開を求める映画ファン5000人分の署名で日本公開することができた作品です。ファンの声が映画会社に届いた前例としてシンプソンズMOVIEでの声優復活運動にも参考にさせていただいたことがありました。


・ギプスの中が痒いときは甘いものを食べたフォークでかかないように


スプリングフィールド大(SU)とスプリングフィールド農工大(A&M)
モデルになったのはテキサス大学(University of Texas)とテキサス農工大(Texas A&M)。"A&M"は"Agricultural(農業) and Mechanical(工業)"。
ホーマーはスプリングフィールド大(SU)だがカールとレニーは(スプリングフィールド農工大(A&M)の卒業生で敵対関係になる。


・ハーフタイムパレードで首吊りにされている豚

スプリリングフィールド農工大のマスコット豚を吊るして「A&M:農工大をやっちまえ!!」

シーズン5では農工大のマスコット豚「サー・オインク・サオット」が登場。


・アントン・ラブチェンコ(Anton Luvchenko)
存在感たっぷりだが、どうやら架空の人物である。右足が千切れても決めた最後のゴールキックフットボールの歴史に残る名シーン。


・Dr.ヒバートの最後の一言に現実に引き戻される・・・。


<感想>
今回のエピソードは冒頭のスプリングフィールド大学同窓会でのシーンなど以前のエピソードと同じところや違うところを楽しめるエピソードでした。20年の歴史を持つシンプソンズならではの楽しみ方の一つだと思います。