シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

「ザ・シンプソンズ」を日本で広めるために日本語吹替版のエピソードガイド、グッズを買えるお店の紹介、大平透さん使用のアフレコ台本の研究、等々を掲載しています。

シーズン7、第23話「負けるなアープーここにあり!"Much Apu About Nothing"

シーズン7、第23話「負けるなアープーここにあり!"Much Apu About Nothing"」May 5, 1996
f:id:simpsons333:20191114220952j:plain
ある日、スプリングフィールドの住宅街に山から降りてきたクマが現れる。家の真ん前にいるにも関わらず、ビールの買い置きが切れているのに気づき、危険も顧みず出かけようとしたホーマーだったが…
・オリジナルサブタイトルは、シェイクスピアの喜劇"Much Ado About Nothing"のもじり。

今なお広く親しまれている本作は、発表当時から現代まで様々なかたちで上演され続けており、また1993年のケネス・ブラナー監督・主演作品をはじめ、何度も映画化されてもいます。

Much Ado About Nothing Official Trailer #1 - Brian Blessed Movie (1993) HD
・騒動に怯える住民たちの要求により、市はクマ専門パトロール隊を展開。
f:id:simpsons333:20191114220706j:plain
・おかげでスプリングフィールドは平静を取り戻せたものの、今度はそのコストの名目で新たな増税を行った市長への不満が爆発! 撤回を求め市庁舎に詰めかけた住民たちの怒りをそらすべく、真の増税理由は不法滞在移民にあると言い逃れる市長。目論見通り、それを真に受けたホーマーらから移民バッシングの声が上がり、新たな追放議案の是非を問う住民投票が行われる流れに。
f:id:simpsons333:20191114220743j:plain
・その影響で、小学校ではドイツからの交換留学生のユタがイジメられるなど、たちまち街中にヘイト行為が蔓延する。
f:id:simpsons333:20191114221151j:plain
・事態を憂慮する数少ない住民の一人であるリサは、そもそもネイティブアメリカン以外のアメリカ人は、誰しも移民であるコトをホーマーに思い出させようと、グランパにシンプソンズ家のルーツを語らせるのだが…
f:id:simpsons333:20191114220757j:plain
・追放議案への賛成運動のポスターをクイッキーマートに張りに来たホーマーは、店主のアープーもまた不法移民であるのを、本人から聞かされる。留学先の工科大学を卒業した後、彼が帰国しなかった理由が、現在日本国内でも大きな問題となっているのと同種なものであるのに、ハッとさせられます。ちなみに、彼はフリンク教授の師弟であった様です。
f:id:simpsons333:20191114220816j:plain
一旦は同情したものの、結局店内にホーマーが貼っていくのは、アンクル・サムと呼ばれる合衆国政府を擬人化したキャラクターによる、軍隊への勧誘ポスターのパロディ。
f:id:simpsons333:20191114220841j:plain
f:id:simpsons333:20191114220856j:plain
同様のパロディは無数に存在し、これはダース・ベイダーが同じポーズをとる、帝国軍への勧誘ポスターです。
f:id:simpsons333:20191114220907j:plain
・このままでは強制送還されてしまうと焦るアープーは、ニセ免許証で年齢を偽りビールと葉巻を買おうとしたカーニーから、今回は見逃すかわりに、その出どころを聞き出す。
f:id:simpsons333:20191114220921j:plain
アルコールを手に入れる為のニセの身分証明証というと、傑作コメディ映画『スーパーバッド"Superbad"』が想起させられますよね。
f:id:simpsons333:20191114221036j:plain

Superbad (2007) Official Trailer 1 - Jonah Hill Movie
・大枚はたいてファット・トニーからニセのパスポートなどの偽造書類を手に入れたものの、リサからのアドバイスもあり、合法な合衆国市民権取得テストに挑戦する決意をするアープー。 なお、ホーマーによる特訓は、お約束どおり全く役には立ちません
f:id:simpsons333:20191114221245j:plain
ところで、筆記試験会場にいる、付け髭で変装したコノ人物は誰?
f:id:simpsons333:20191114221331j:plain
・重要かつ繊細な社会問題を果敢として取り上げながらも、いつものエンターテイメント性は忘れないと同時に、キレイなだけの結論には落とさない、正にシンプソンズ一流の好エピソードでした。
f:id:simpsons333:20191114221349j:plain