シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

「ザ・シンプソンズ」を日本で広めるために日本語吹替版のエピソードガイド、グッズを買えるお店の紹介、大平透さん使用のアフレコ台本の研究、等々を掲載しています。

シーズン7、第1話「誰がバーンズを撃ったか?(後編)"Who Shot Mr. Burns Part 2"」

シーズン7、第1話「誰がバーンズを撃ったか?(後編)"Who Shot Mr. Burns Part 2"」September 17, 1995

銃撃された後、病院に担ぎ込まれ、何とか命を取り留めるバーンズ。例によって全く頼りにならないウィガム署長らの手で、果たして真犯人を突き止めるコトは出来るのか!?
<以下、ネタバレになります>
・何故か60年代風の刑事アクションドラマに、バーンズと共に出演している夢から覚めるスミサーズ。

泥酔のせいで、前夜の記憶が途中で飛んでしまっていた彼だが、見覚えの無い拳銃を所持していたコトから、誰かに向けて発砲した記憶が蘇る。それを教会の懺悔室にて告白したところを、潜んでいたウィガムに取り押さえられてしまう。

・その頃ホーマーらは、バーンズの負の遺産であるところの"太陽遮断器"を無理やり破壊するのだが…

・迅速な事件解決に鼻高々なウィガム。しかし、シャーロック・ホームズばりにパイプをくゆらすサイドショー・メルにスミザーズのアリバイを証明された上に、発砲はあったものの事件とは無関係だったのも判明。捜査は振り出しに戻る。

・リサはウィガムに、4人の最重要参考人の名前を挙げてみせる。

営業停止をくらったモー、そのせいで行き場が無くなったバーニー、お宝を横取りされたスキナー、そして職を失ったウィリー。最後の職を…の部分だけに反応して、ティト・プエンテを捕らえに飛び出すウィガムたち。

憎い相手を殺めたりするのは私の流儀では無いと、バーンズへの恨みを音楽で表現してみせるプエンテ。演奏する彼の楽団の打楽器に、バーンズの顔が描かれているのは、シーズン6「マギーの写真"And Maggie Makes Three"」で発電所の辞職を願い出たホーマーが、バーンズの禿頭を抱えて叩くギャグからの引用かな?

simpsons333.hatenablog.com

・ウィガムは、ようやく4人の尋問を開始。取り調べの際にウィリーが足を組み替えるギャグは、おなじみのスコットランドキルトねたであると共に、ポール・バーホーベン監督『氷の微笑"Basic Instinct"』でのシャロン・ストーンの有名な尋問シーンのパロディにもなっています。



Basic Instinct (Theatrical Trailer)
・結局芳しい結果を出せず、やる気を無くして、うたた寝したウィガムは不思議な夢を見る。


リサが登場するウィガムの夢は、実に四半世紀ぶりの新シリーズが制作・放映された『ツイン・ピークス"Twin Peaks"』に登場する"赤い部屋"のパロディ。

TwinPeaks 2017 (All teasers)
新シリーズの吹替版には、保安官事務所の受付ルーシー役の安達忍さん(マーティン、トッド・フランダース)や、丸太おばさん役の巴菁子さん(クラバーペル)が続投されています。
・夢のお告げをヒントに捜査を再開したウィガムは、事件発生時にバーンズが着ていたスーツに付着していた髪の毛から、DNAの検出に成功。それは、シンプソンズファミリーのものだった!

・他にも続々と証拠が発見され、別の容疑者たちのそれとは全くは理由は異なるとはいえ、バーンズに対する恨み辛みに関しては勝るとも劣らないホーマーは早速逮捕。

しかし、護送中に発生した事故のすきに、彼は手錠のまま逃亡!

このくだりは、往年の人気TVシリーズハリソン・フォードの主演で映画化した『逃亡者"The Fugitive"』劇中の展開をもじっています(予告編の中にも該当シーンが登場します)。

The Fugitive (1993) Official Trailer #1 - Harrison Ford, Tommy Lee Jones Movie
・逃走中のホーマーに、多額の賞金をかけるスミサーズ。それを知って、我こそは!と暴徒と化すスプリングフィールドの住民たち。とどめを刺す気に違いないと、バーンズが収容されている病室に詰めかけた彼らが目にしたのは…

・独自の現場検証を元に、本格ミステリー風に勢揃いした関係者の前で、名探偵リサが語る真犯人の正体や如何に!?

なお、前編の放映後に犯人当てクイズの企画が催されましたが、日時計の上に倒れたバーンズは犯人の名を示すダイイングメッセージを、確かに残しているのでした。

・追記(2022/5/16)


アニメーション監督:ウェス・アーチャー氏によると、本エピソードでウィガム署長がリボルバーに弾を込めるシーンは、出崎統監督の劇場版「ゴルゴ13」(1983年公開)のワンシーンのオマージュとのこと。