シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

「ザ・シンプソンズ」を日本で広めるために日本語吹替版のエピソードガイド、グッズを買えるお店の紹介、大平透さん使用のアフレコ台本の研究、等々を掲載しています。

シーズン3、第1話「マイケルがやって来た!"Stark Raving Dad"」

シーズン3、第1話「マイケルがやって来た!:Stark Raving Dad」September 19, 1991

バートの真っ赤な"ラッキーハット"と一緒にシャツを洗濯されちゃったホーマー。当然のように、彼の真っ白なシャツはピンク色に…。仕方なくそのピンクのシャツで原発へ出勤したホーマーに、社員からは冷たい視線が注がれる。挙句の果てにはバーンズ社長にも目をつけられ、精神分析テストを受けるハメに…。しかし、そのテストの答えをバートに任せてしまったがばかりに、ホーマーは精神病院へ!病院内で酷く落ち込む彼を得意のダンスと歌で慰めたのが、自分のことをマイケル・ジャクソンだと言い張る謎の白人の大男だった。


2009年6月25日(日本時間26日)に亡くなった、世界的スター マイケル・ジャクソン
実は、そんな彼はシンプソンズの大ファンでした。自らスタッフへ連絡を取り、声の出演を熱望。そして、念願叶ってシーズン3「マイケルがやって来た!」へゲスト出演することが出来たそうです。マイケルジャクソンが登場すると本人は許しても契約の問題で莫大な出演料や楽曲使用料が発生してしまうため、劇中の曲はマイケル本人ではなく、キップ・レノンという歌手が歌っています。

日本語吹替え版では謎の男性(マイケル・ジャクソン)の吹替え声優は山寺宏一さんが行っています。

シーズン3DVDコレクターズBOXに収録された「マイケルがやって来た!」隠しコマンド(アル・ジーンによる音声解説)より抜粋。
・「(マイケルを)アニメのネタに使うなんて 当時は革命的だった」
・「アルバム用に曲(シーズン2のDVDに収録「Do The Bartman」)まで作ってくれた。これもヒットしたのに著作権も要求しなかった。その彼がゲスト出演したいと言うのなら ぜひお願いしようと」

・「ストーリーの解説が延々と20ページも続くウンザリするような台本を 真面目に読んでたよ」
・「プリンスがらみのジョークをエルヴィスに替えたのは 彼の提案だった。おかげで歯切れのいいジョークに」
・「本人に直接会ってみると とてもハンサムで背が高く しなやかな力強さがあった」
・「マネージャーは特別待遇を要求してきたが 彼は気さくだったし 特別待遇など無用だった」
・「本読みの後 マイケルが曲作り(「Happy birthday Lisa」)を申し出た。恐縮したスタッフが断ったが 彼はぜひにと譲らなかった」

※この隠し音声解説へのアクセスは、DISK1の各エピソード再生中に「音声5」を選択するか、「マイケルがやって来た!」特典メニューでDVDプレーヤーの「+10」ボタン、または「10」を入力することによって可能になります。シンプソンズファン、マイケルファン、必見の内容です!資料的価値大!!


●逆にシンプソンズがマイケルのPVにゲスト出演も!
マイケル・ジャクソンの「Black or White」のプロモーションビデオの中にはホーマーとバートが出演しています。

バートの着ているTシャツには「MICHAEL JACKSON」の文字が!

ホーマーとバートは動画の10:50くらいから登場するのでご覧下さい。



…ご覧のとおり、マイケルは心から「ザ・シンプソンズ」という作品を愛していたようです。シーズン9「サックスはリサの宝物」シーズン14「旅立てバート」などで、ピリリと辛いネタに使われたときも、きっと喜んでいたのではないでしょうか。

シンプソンズをこよなく愛した"KING OF POP"マイケル・ジャクソンさんのご冥福を心からお祈りいたします。




以下、エピガイ用に追記。
ネタバレありのため、ご注意を!





●注目ポイント!
・気がつけばとんでもない電話代になっている、悪魔のクラスティホットライン。シーズン4「ふたりの代理パパ」にも似たようなネタが…。
このテレフォンサービスネタですが、日本でもアニメキャラや戦隊ヒーロー、アイドルと話せる!みたいな"有料"サービスがよくありましたね。(中でも一番有名?なリカちゃん電話は今でも健在のようです!)

・ピンク色のシャツを着ていったがばかりに、異常者と判断され、精神鑑定にかけられるホーマー…ドンマイ!

・ホーマーが観ている面白ビデオの投稿番組は、ABCの長寿番組アメリカズ・ファニースト・ホームビデオズ」のパロディ。
ちなみにこの番組、日本の「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」のワンコーナーが元ネタになっているため、世界のテレビ番組見本市「MIPTV」の50周年記念イベント内で発表された「世界のテレビを変えた50作品」の1つに「加ちゃんケンちゃん…」が選出されていたりします!
(その他にも、日本の番組としては、「鉄腕アトム」,「UFOロボ グレンダイザー」,「ドラゴンボールGT」がランクイン…もちろん!我らが「ザ・シンプソンズ」も入ってます!)

・「心の病院」に入ることになったホーマー…ここからのシーンはカッコーの巣の上でレインマンのパロディ。
このシーンが影響してか(?)、日本のFOXチャンネルでは本エピソードが飛ばされて放送されてました。

マイケル・ジャクソン(本物)登場!
ちなみに、吹き替えを担当された山寺宏一さんは今やモノマネ番組での洋楽モノマネ等でお馴染みですが、当時から声優仲間でカラオケに行った際にクオリティの高すぎるマイケルのモノマネを披露されていたため、「マイケルの役をやるなら山ちゃんだよね!」と、よく話題になっていたのだとか。


・今回の「イッチー&スクラッチー」のタイトル「ゆるやかにネコを叩け(バング・ザ・キャット・スローリー)」は、デ・ニーロ出演の野球映画バング・ザ・ドラム(・スローリー)」のパロディ。
そもそもこの映画のタイトル自体は、北アメリカ民謡のザ・ストリーツ・オブ・ラレド」の一節からの引用。


・マイケルによる、ムーンウォークのハウトゥ。

・「心の病院」の電話の保留音は、パッツィ・クライン「クレイジー。…強烈すぎ!


・マイケルを一目見ようと集まった群衆の中に、七色のアフロヘアで「John 3:16」(新約聖書ヨハネによる福音書」3章16節)と書かれたプラカードを掲げる人物が…。
この人物、本エピソードの放送当時、いろんなスポーツの試合会場に現れていた謎の人物「レインボーマン」(本名ロレン・スチュワート)のパロディ。一時はCMに出たりそこそこの人気者になっていましたが、92年に人質をとって立てこもり事件を起こしたことから終身刑となり、今も塀の中に…。

・バート作詞作曲のリサの歌も最高にカワイイですが、契約の都合上本人が歌ってはいないものの、マイケルが作曲した「ハッピーバースデイ・リサ」も、ファンには人気高いです!




●声の出演

役名 お名前
ホーマー 大平透
マージ 一城みゆ希
バート 堀絢子
リサ 神代知衣
エイブ 滝口順平
マイケル 山寺宏一
モンロー 富田耕生
バーンズ 北村弘一
スミサーズ 目黒光祐
クラスティ 島田敏
バーニー 広瀬正志
ヒバート 青森伸
モー 稲葉実
ミルハウス 飛田展男
オットー 安西正弘
ケント・ブロックマン 糸博
シルビア 巴菁子
レニー 朝戸鉄也
カール 辻親八



●日本語版スタッフ

役職 お名前
翻訳 徐賀世子
アドバイザー 井上真紀
調整 栗林秀年
効果 関根正治
演出 春日一伸
プロデューサー Kristen Duncan,小川眞紀子
録音 Studio Saurus
編集 ムービーテレビジョン・スタジオ
制作 ムービーテレビジョン



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