シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ

「ザ・シンプソンズ」を日本で広め、ファンのつながりを作るためにグッズを買えるお店の紹介やエピソードガイド、吹替キャストのみなさんとのイベントレポート等々を掲載しています。

シーズン11、第10話「〜DVD未収録(日本未放送)〜:Little Big Mom」

シーズン11、第10話「〜DVD未収録(日本未放送)〜:Little Big Mom」January 9, 2000

ひょんなことからスキーにやって来たシンプソン一家。みんなそれぞれのやり方でスキーを楽しむなか、ロッジで休憩中のマージの足に壁掛け時計が激突!骨折し、入院してしまう。そんな彼女の代わりに小さなママとして家事をこなすリサ。しかし当然のことなら、ホーマー&バートという猛獣コンビの世話や非協力的な態度が数日で限界となり、とうとうある作戦に打って出る!それは、ホーマーとバートが寝ている間に、彼らの体に恐るべきイタズラをするというものだった…


日本未放送・DVD未収録のエピソードです。(アメリカ製DVDには収録されています)


<以下、ネタバレになります>




<名セリフ>
インストラクターからのアドバイスを思い出したいホーマーだけど…
「やめろ!エロフランダース!!」
(シーズン13「ホーマーの一期一会」の吹き替えセリフから)


<今週の注目ポイント>
・本エピソードのタイトル「Little Big Mom」は、映画小さな巨人:Little Big Man」のパロディ。

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・究極のイッチー&スクラッチー!THE TEARS OF A CLONE(涙のクローン)」

イッチーのスクラッチーへの深い愛情がうかがい知れる名作です。好きな子をいじめてしまう子供のようなものでしょうか?


フラッシュキューブ:4つの電球をまとめた立方体の電球で、インスタマチックカメラやポケットカメラに使用するもの。本エピソードが放映された2000年には一般家庭では忘れ去られていた…



長野オリンピックに影響され、スキー板を買ったホーマー!!


・スキー場の案内看板に書かれているのは、The Widowmaker(未亡人づくりの意。プロレスラーだったバリー・ウインダムがこのリングネームで戦っていた時期も)、Spine buster(プロレス技。別名:脊椎砕きor逆水車落とし)…どちらもキツすぎる!!


・鹿は凶暴!?


・謎の日本人医師・サカモト。特技はマッサージ!!



・クラスティ・シリアルの代わりに、エアロスミス・シリアル
ちなみに、エアロスミスはシーズン3「エアロスミス登場」にゲスト出演しています。



・悩んでいるリサにアドバイスを送るのは、「アイ・ラブ・ルーシー」ルーシー

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・リサがホーマーとバートの体に塗るのは…POSTER PAINT(絵の具)OATS(オートミール)を混ぜたもの。



バーチャル・ドクターは、ドラゴンクエストとシム・サンドウィチ(!)のパロディらしい。アメリカ大手インターネットサービス会社・AOLのメール受信の声等でお馴染みの声優エルウッド・エドワーズがドクターの声を担当。

ドラゴンクエストVI 幻の大地

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シムシティDS2~古代から未来へ続くまち~

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本エピソードのお蔵入りのワケ「レプラシー!!」→ハンセン病(らい病)の意味。それに加え、日本国内でのシーズン11放映時に元ハンセン病患者団体客をホテルが宿泊拒否した事件が発生し、それとイメージが重なるシーンが含まれることがお蔵入り最大の理由と思われます。同じ例として、NHK BS2で放送中の海外ドラマ名探偵モンクでもハンセン病を扱ったエピソードがあり、こちらも日本では未公開となっています。


・レプラシー疑惑が浮上したホーマー&バートがフランダースの家を訪問するシーンは、映画バタリアンのパロディ。
バタリアン [DVD]

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【レプラシー:ハンセン病(らい病)について】※「らい病」は差別用語とされています。
ハンセン病:らい病とは日本だけでなく世界中で「死の病気」として恐れられて来ました。症状は手、足、耳、鼻など体の皮膚がただれる様に変形したり、体の部位が菌感染して腐り落ちたり、菌に対する抵抗力が落ちているため体中に膿ができるなど患者の外観が著しく醜くなるため、人の恐怖心を大きくあおり、原因も不明だったため悪いことをした報いの「業病」とか「天罰病」と言われ忌み嫌われていました。
近年になり、じつは極めて低い伝染力の感染症であると判明するまでは、「患者の隔離」だけではなく、恐怖心から家族・親族が住居追放や放火にあうなど多くの差別・迫害が起きていました。現在は、適切な治療を行えば治癒が可能であり、重篤な後遺症を残すことも自らが感染源になることもなくなり過去のような差別迫害も少なくなりましたが、完全になくなったとは言えない状況です。
シンプソンズの「リトル・ビッグ・マム:Little Big Mom」では、リサのイタズラによってハンセン病(らい病)と勘違いされたホーマーとバートが隔離施設で楽園のような生活をしているというオチなのですが、これは過去のハンセン病(らい病)に対する偏見を馬鹿げたものとしたパロディーだと思うのですが、見る人(特に患者の立場)からすれば笑うことが出来ない内容なのかもしれません。テレビの放送では、ハンセン病:らい病の説明をすることも出来ず、また、人によって理解のしかたや受け止め方が違う可能性もあるので日本では未放送・未収録になったのではないかと思います。


ハンセン病の隔離島】
ホーマーとバートがフランダースに紹介されてハンセン病の治療に行くMOLOKAI LEPER COLONYは、

ハワイのモロカイ島カラウパパ半島に実在するハンセン病コロニー「MOKOKAI LEPER COLONY」がモデル。1865年以来ハワイのモロカイ島はハンセン病患者の隔離島で、治療法が見つかるまで多くのハンセン病患者がこの島で暮らして亡くなっていました。<参考文献>「ハンセン病問題とジャック・ロンドン」著:辻井栄滋 http://ritsumeikeizai.koj.jp/koj_pdfs/56202.pdf


【レプラシー:ハンセン病(らい病)を描いた映画】
洋画「The Story of Father Damien(1999年制作)」

まだハンセン病患者に対する差別迫害が多い時代に、モロカイ島のハンセン病コロニーで献身的に患者の救済を行い、自らもハンセン秒で命を落としたダミアン神父(写真の人物)の一生を描いた作品。ダミアン神父は死後、カトリック教会からハンセン病患者、HIV感染者およびハワイの守護者として福者から聖人として祀られ、ハワイでは“モロカイ島の英雄”“ハワイの栄光”と呼ばれている。
残念ながら映画は日本では公開されておらずDVD字幕版はありませんが本が存在します。
二つの勲章―ダミアン神父の生涯

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Uncommon Kindness: The Father Damien Story [DVD] [Import]

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洋画ベン・ハーで、主人公が死の谷でらい病患者として生活しているの家族と再会するシーンが描かれています。
ベン・ハー 特別版(2枚組) [DVD]

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邦画砂の器で、らい病患者の父が社会的に成功した息子の人生を守るために親子の関係を絶つシーンなど、らい病患者には悲劇という文字だけでは言い表せない涙の歴史があります。
砂の器 デジタルリマスター 2005 [DVD]

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<感想>
・イタズラはやりなれていない人がやると大変なことになります。


・今回のエピソードは「ハンセン病」という日本では名前は知られていても実態はあまり理解されていない難病がテーマであるゆえに、ジョークがハンセン病患者への差別的表現として受け取られてしまう可能性があるから日本未収録になってしまったのだと思います。しかし、このエピソードガイドを作成するにあたり、自分でハンセン病のことや隔離島のこと、日本とアメリカのハンセン病患者やHIV患者への理解について学ぶ機会を得ることもできました。
物事は発信者が伝えたいものが受け取り手によって違ったものになってしまうこと、その誤解をなくすためには正しい知識が必要だと思いました。
また、いくらジョークと言えども「実在する病気」をネタにするのはよくないと思います、その病気で苦しんでいる人が実際にいるのだから・・・。